大雨のアニヴェルセル

土曜日、待合せの時間が変わって、時間潰しに渋谷へ。JRを降りたら爆雷雨で駅はごった返してた。バキバキ神鳴る中、友達からの失恋相談電話をしながらスクランブルを渡ると、交差点は河になってた。どうにも避けられない上に、電話してるもんだからまじめに最乾ルートを探す集中力も無く、がんがんもっとも流れが急なところを突っ込む。渡り終わったら、十数年ぶりに、歩くたびに靴がぶしゅぶしゅと鳴った。よく近所の公園の人口河(つか水がちょろちょろ流れてるだけ)をカワグチヒロシ探検隊と称してばしゃばしゃやってたのを思い出す。

バケツに漬けたような靴のまま、タワーレコードへ。いつもAmazonでしか買わないので、たまにはじっくりCDをブラウズしようと思ってたけど、めんどくさくて結局最上階のtower booksへ。

ちなみに尚失恋相談の電話は続く。静まり返った本屋で、もっともらしいことを話し続けながら、本をブラウジング。ぜんぜん集中出来ん。

まず目に付いたのが、サリンジャー


Catcher in the Rye

純文学ってのは苦手で、完読したのは、カフカ

変身

ぐらいで、これまで手にとってみる気にもならなかったのだけども、先日観たTV番組(w/稲垣ゴロー)で、チャップマン(レノン暗殺)もヒンクリー(レーガン暗殺未遂)も、この本を手に持ってたというので、ミーハーな理由と、装丁がシンプルで気に入った。「ここまでくると、あとはアナタ自身で決めるしかないの。ぼくには、状況の客観的な整理と、選択を示すことしか出来ないんだから」と、答えを求める友人に対し言いながら、まず小脇に一冊抱えてみる。

次に、完全にミーハーに走り、

The Da Vinci Code

しかもペーパーバック。やっぱ、いくらベストセラーでも、よほど好きな作家じゃなきゃ、ハードカバーは買ってやれないな。なんか映画化の話しがあるみたいだし、こういう秘密結社モノ(?)って結構好きで、エーコ

Foucault's Pendulum

は読んだ気がする。ということで、ラドラム+エーコみたいなのを期待して、小脇2冊目。これ以上長電話してると、肩凝るし、電池切れると待合せ(時間・場所流動的)が不可能になるので、失恋相談はひとまず終わり。「2,3日人に頼らず、自分とだけ向き合ってみよ」で締めくくる。

さて、なんとなくもう一冊ぐらい欲しいので、さらにブラウジング。表紙にでかでかと「Ethan Hawke」と書かれた本が目に付く。まだ若いのに、伝記もんか?と思ったら、なんと本人著の本らしい。マルチですなあ、イーサン。

で、イーサン作は買わず、その隣ぐらいにあった、

Catch-22

世事に疎いのでわからないんですが、これって名作?どーっかで聞いたことあるんだよなあ、と思いつつ、こういう買い方もありだろうと、3冊目。

レジに向かう途中、一瞬仕事っけ出して、MANGAコーナーへ。おお、トーキョーポップさんの本があるじゃないですか。なるほどなるほど。と、さすがにマンガは日本語が良いので、買わず。あ、ちなみに、わたし本職はマンガ関係無いです。副業?ってことにしておいてください。

ということで、3冊を買って下りエスカレーターへ。BLADEのサントラでも買うか、と思いつつ、ケータイメールが入る。ふむふむ、ということで、ようやく待合せがFix。表参道に向かうことに。すっかりサントラは忘れて、だいぶ雨も止んだ街に出て、半蔵門線へ向かう。

実は場所は決めて時間決めてなかっただが、本4冊(実はリュックに
JOURNALS
を忍ばせてあったのだ)もあるので、なんぼでも待てまっせ、な状態。取り急ぎ、わかりやすいしヨーロッパで優雅にカフェ気分(でも大雨)というイメージでアニヴェルセルへ。

オーダーを終えていざ!まずは優雅なカフェ気分(でも大雨)を満喫する為に、サリンジャーから。なんかいきなり脳キリな文体だなあ。まさかこれ読んでると、おれも誰か暗殺しちゃいそうになるんだろうか、とか考えながら、でも外大雨、カフェで一人優雅にサリンジャーを堪能だなんて、ちょっとかっこよくないかオレ、という一念で、がんばってよんでみたが、風邪っぴきの歴史の先生の家を飛び出したところぐらいで挫折。ミーハー路線でda vinci codeへ移行。

うーんやばいな。ダークタワーももうすぐなのに、こういうpageturnerは途中で中断するといかんからなあ、とか考えながらページをめくりだす。うんうん、まあまあいい感じ。ちょっともう少し文章に出汁がきいてるといいんだが、いけるいける。

ごんごん読んでしまう中、ツレがなかなかこない。まあ色々準備もあろう。のんびり待つか。それにしても、大雨で電車流されたりしてなかろうか、などと心配しつつ、どうにもならんので、ページをめくり続ける。いちいちフランス語がでてくるので、ちょっと解読できるか、試したりしてみるがやはり無理。2行ぐらい読むと、英語で書いてあるから、別に困らないんだけどね。

とかなんとかしてるうちに、ツレ登場。

Amazonは、自分が欲しいもの及びそれと嗜好が似ているものを買うには、大変便利なものですわな。リアルな本屋2,3軒巡って本を探すっていう、あの不毛な作業がまったく人生から消えてしまった。予約注文しておくと、都心だと発売日当日には届くので、タイムラグも殆ど無し。いやー、インターネットって便利ねえ。

一方、リアル本屋のブラウジングは、こうやってまったく自分の嗜好と関係無い新しい発見が出来るので、やっぱ定期的にやらんといけないね。失恋相談しながらだとなかなか集中できないけど、ふと目に付いたところから新たな世界が広がる、ってことも、あるし。

久々に、本屋というところの面白さ、可能性、いや要するにわくわく感!を思い出した日でした。

で、ツレは誰?その後なにした?ですって?それはいえませんよ。プライベートですから。皆さんも、たまには大雨の夜、出かけましょうよ。新たな発見いろいろあるよ?


オワーリ