インターネットと爪切り

今日、昼間タバコブースで一服しながら、爪切りをしました。くわえタバコの煙が目に入るのを耐えつつ、ぱちぱちとリズミカルに切っている時に、ふと気付いた。

なんか昔より、爪切り巧くなってるな、と。最近頻繁に切ってるからかな、と。つか爪切りって、こんなに一寸を惜しんですることじゃなかったな、と。

一体、なにがこう爪切りという行為を、生活の中でプライオリティの高いものにしてしまったのだろう、と。

その理由は、インターネット、というよりパソコン、いやもっと言うとキーボードに原因があると気付いた。

爪が伸びた状態でキーボードを打つ感触って、結構嫌なものなんです。ぼくは特に、凄く嫌なんです。タイピングのやり方もあると思うんですが、ぼくの場合、ときどきあの黒板を爪で引っ掻く感触、誰でも思い浮かべるだけで、背中がそばだつあの感触を連想させれられて、どうにも耐えられない。その結果、ちょっとでも伸びてくると、即切りたい衝動に駆られるのです。で、昔は「まあいいか」と思って家に帰ってから、風呂に入ってから切ってた。たまに気合いの入ったデートの前とかは、待ち合わせ前にコンビニに駆け込んで爪切り買ったりしましたが、総じて生活の中では、耳掃除レベルの、あまりプライオリティの高くないものでしたが、今は思い立ったら即!トイレで切ったり、タバコブースで切ったり。

実は以前、部署で平然と切ってみたことあるんですけど、昼間平然とオフィスでぱちぱちってのは、いかにも閑職のヒトみたいだから辞めろ、と上司に言われたことがあるんです。非常に的確なアドバイスだったと、いまもそれを励行してるんですが、一方で、パソコン無しでは仕事が出来ない昨今においては、もはや爪切りは恥ずかしい行為ではなくて、仕事中に目薬さしたり、ディスプレイの汚れ取ったり、あるいはめがねを拭いたりするのと同じぐらい、業務遂行上必要な行為になりつつあるんじゃないか、と。

ということで、これもコネクティビティ依存症候群と同じぐらい、インターネット(というかパソコン)がもたらしたヒトへの変化ということで。

これ書いてる間、オフィスを見渡し、みんなも同じ思いなのかなあ、と考えてみましたが、全然そんな気がしません。やっぱり、ぼくだけなんでしょうか。まあいいか。

PS:会社の女性の方の中には、美しく伸ばしたネイルを誇りながらも、器用にタイピングしている方がいます。探偵モノに出てくる主役のダメダメ探偵の、ちょっとイイ感じの秘書役みたいで、ステキです。

おわり